103万円の壁がなぜ存在するのか、その理由について詳しく解説します。
103万円の壁が生まれた背景
- 所得税の仕組み: 所得税は、収入から一定の控除額を引いた金額に対して課税されます。
- 基礎控除と給与所得控除: この控除額には、基礎控除(2,400万円以下48万円)と給与所得控除(令和2年から従来の65万円から55万円に引き下げられました)があります。
- 103万円の算出: 基礎控除と給与所得控除の最低額を合計すると、約103万円になります。つまり、年間の収入が103万円以下であれば、これらの控除によって課税所得がゼロとなり、所得税はかからないという仕組みです。
103万円の壁がもたらす影響
- 本人への影響:
- 年収が103万円を超えると、所得税がかかり始めます。
- 社会保険料の負担も増える可能性があります。
- 扶養者への影響:
- 扶養控除の対象から外れるため、扶養者の所得税が増加します。
103万円の壁が注目される理由
- 働き方の多様化: パートやアルバイトなど、非正規雇用が増加する中で、年収が103万円を超える人が増えています。
- 女性活躍の推進: 女性の社会進出が進む一方で、この壁が女性の就業を妨げているという指摘があります。
- 経済活性化: 消費を促進するためには、国民の可処分所得を増やすことが重要とされており、この壁の見直しは経済活性化につながると期待されています。
103万円の壁の今後の見通し
- 制度改正の動き: 103万円の壁を見直し、より高い金額に引き上げるという議論が活発に行われています。
- 2024年11月の衆議院選挙以降: 103万円の壁が178万円に引き上げられる可能性が話題となっています。
まとめ
103万円の壁は、所得税の仕組みと、基礎控除や給与所得控除といった制度が複雑に絡み合って生まれたものです。この壁は、個人の働き方や経済活動に大きな影響を与えており、今後も制度改正の動向に注目していく必要があります。
※103万円の壁とiDeCoの相性はbery good👍説明は、基礎知識の第三回でね(*^^)v
by原野千鶴