ふるさと納税の返礼品にも税金がかかる!?「一時所得」の意外な落とし穴と確定申告が必要になるケース

年末が近づくと盛り上がる「ふるさと納税」。 自己負担2,000円で各地の特産品がもらえるお得な制度として、活用されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、自治体から送られてくるこの「返礼品」。 実は税金の世界では「一時所得」という扱いになり、場合によっては確定申告が必要になることをご存じでしょうか?

「えっ、税金が安くなる制度なのに、税金がかかるの?」

そう驚かれるかもしれませんが、これは非常に重要なルールです。今回は、ふるさと納税の返礼品にかかる税金の仕組みと、特に注意が必要なケースについて解説します。


1. 返礼品は「一時所得」です

まず結論から言うと、ふるさと納税の返礼品は、経済的利益とみなされ「一時所得」に該当します。

一時所得とは、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外の所得のこと。 例えば、以下のようなものが含まれます。

  • ふるさと納税の返礼品
  • 生命保険の一時金(満期保険金や解約返戻金)
  • 懸賞や福引の当選金(宝くじは非課税です)
  • 競馬や競輪の払戻金

2. 課税される金額の計算方法

「じゃあ、返礼品をもらったら税金を払わないといけないの?」と不安になるかもしれませんが、安心してください。多くの人は税金がかかりません。

その理由は、一時所得には「50万円の特別控除」があるからです。

【一時所得の計算式】

(一時所得の収入金額 - その収入を得るために支出した金額 - 特別控除50万円) × 1/2 = 課税対象額

※注意:ふるさと納税の「寄附金額」は、ここで言う「支出した金額(経費)」には含まれません。

返礼品の価値は、一般的に「寄附額の3割程度」が目安とされています。 つまり、返礼品だけで特別控除の50万円を超えるには、年間で約167万円以上の寄附をする必要があります。

そのため、「ふるさと納税の返礼品だけ」であれば、確定申告が必要になるケースはほとんどありません。

3. ここが落とし穴!「他の一時所得」がある年は要注意

では、なぜ今回あえて注意喚起をしたのか。 それは、同じ年に「他の一時所得」がある場合、合算されるからです。

最も注意したいのが、生命保険の満期金解約返戻金を受け取った年です。

【危険なケースの例】

  • 生命保険の満期金: 利益が40万円出た(受取額-払込保険料)
  • ふるさと納税の返礼品: 15万円相当(寄附額50万円程度)

それぞれ単体で見れば50万円以下ですが、合算すると55万円になり、特別控除の50万円を超えてしまいます。 この場合、超えた分の5万円の2分の1(2.5万円)が課税対象となり、確定申告が必要になる可能性が出てきます。

「今年は満期金が入ったから豪華にふるさと納税をしよう!」と考えている方は、少し計算が必要です。

4. 「いつ受け取ったか」で決まる

もう一つ覚えておきたいのが、「年またぎ」の配送です。

一時所得は、「返礼品を受け取った年」の所得として計算します。 例えば、2025年の年末に寄附をして、返礼品の到着が2026年になった場合、その返礼品は2026年分の所得としてカウントされます。

もし、2025年に他の一時所得が多くて枠がギリギリの場合は、あえて配送時期を翌年にずらすことで、課税を回避できるテクニックとしても使えます。

まとめ

ふるさと納税は素晴らしい制度ですが、以下の2点は必ずチェックしておきましょう。

  1. 返礼品は「一時所得」であり、年間50万円の特別控除枠を使う。
  2. 生命保険の満期金など、他の一時所得がある年は合算に注意する。

意図せぬ「申告漏れ」を防ぐためにも、大きな一時所得があった年は、返礼品のおおよその価額(寄附額の3割程度)を把握し、相談することをおすすめします。

賢く制度を利用して、老後や将来の楽しみを増やしていきましょう。


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