【家族のための備え】高齢者が「元気」から「介護」へ変わるきっかけと、病院から施設入所までの完全ガイド
「昨日まで元気だった親が骨折し、急に介護が必要に…」そんなご家族のための完全ガイドです。高齢者の転倒・骨折が入院や要介護状態(廃用症候群)に直結する経緯と予防策から、医療ソーシャルワーカーへの相談、病院から介護施設見学・入所までの具体的な手順まで分かりやすく解説。家族だけで抱え込まずスムーズに準備を進める方法が分かります。
目次
1. なぜ「骨折」が「要介護」につながるのか?(経緯と知識)

高齢者が骨折(特に太ももの付け根である「大腿骨頸部骨折」など)をすると、以下のような経緯で急速に介護が必要な状態へと変化することがあります。
- ① 骨折・入院による「ベッド上での安静」 手術や治療のため、数日から数週間の寝たきり状態が続きます。
- ② 廃用症候群(はいようしょうこうぐん)の進行 高齢者は、使わない身体機能が驚くほどのスピードで衰えます(専門家の研究によると、2週間の寝たきりで約7年分の筋肉が失われるとも言われています)。筋力低下だけでなく、心肺機能の低下や関節の拘縮(固まること)が起こります。
- ③ 認知機能の低下・せん妄の発生 環境の急激な変化や痛み、薬の影響により、「せん妄(一時的なパニックや幻覚)」が起きたり、認知症が急激に進行したりすることがあります。
- ④ 「退院=元の生活」ではなくなる 骨自体はくっついても、歩行機能や認知機能が元に戻らず、結果として「要介護状態」となります。
2. 家族ができる「予防策」と「気を付けるべき事」
骨折を防ぐための対策は、日頃からの家族の高齢者(ご両親)への関わり方が重要です。
予防策
- 家の中の危険を減らす: 高齢者の転倒の多くは「屋内」で起きています。わずかな段差、滑りやすい敷物、床に這わせた電源コード、夜間のトイレへの動線などの見直し、手すりの設置や照明の工夫を行いましょう。
- 骨粗しょう症の検査と治療: 「骨がもろくなっていること」が大きな原因の一つと言われています。定期的に骨密度を測定し、必要に応じて掛かりつけの病院や医院で内服薬や注射で治療を行ってください。
- 適度な運動と栄養: タンパク質、カルシウム、ビタミンDを意識した食事と、無理のない範囲でのウォーキングや体操を日常に取り入れてください。
家族が気を付けないといけない事(対処法)

- 転倒した親を責めない: 万が一転んでしまった時、「だから気を付けてって言ったのに!」と責めるのはNGです、絶対にやめてください。本人が一番ショックを受けており、自信を喪失して引きこもりがちになってしまいます。まずは気持ちに寄り添いましょう。※ご自分に置き換えてみてください!
- 「年のせい」で片付けず、すぐ受診を: 痛みを我慢して歩き続け、後からひどい骨折が判明することがあります。転倒後は必ず整形外科を受診してください。※高齢者の方々は、「痛くても」ご家族に怒られるので我慢をしがちです。
3. いざ介護へ。病院から介護施設に入所するまでの順序
もし入院となり、退院後に自宅での生活が困難になった場合、施設への入所を検討することになります。その際の手順は以下の通りです。

ステップ1:介護保険の申請(要介護認定)
- 家族がやること: 入院後、「退院後は介護が必要になりそうだ」と分かった時点で、すぐにお住まいの市区町村の窓口(または地域包括支援センター)で「要介護認定」の申請を行います。結果が出るまで約1ヶ月(自治体によってはそれ以上)かかることがあるため、早めの行動が鉄則です。
ステップ2:病院の「医療ソーシャルワーカー(MSW)」に相談
- 家族がやること: 急性期病院(治療を行う病院)は、長期間入院することができません。退院後の行き先について、病院にいる相談員(医療ソーシャルワーカー)に「自宅での介護は難しいため、施設を探したい」と早めに意思表示をし、相談に乗ってもらいましょう!
ステップ3:リハビリ病院(回復期病棟)への転院、または施設探し
- 順序: 状態によっては、リハビリを専門に行う「回復期リハビリテーション病院など」へ一度転院し、数ヶ月リハビリを行いながら施設を探す猶予ができる場合があります。
- 施設探し: 医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーから紹介されたリストをもとに、家族が施設を見学します。
ステップ4:施設の見学・申し込み
- 家族がやること: 予算、立地、必要な医療ケアの対応可否を確認し、複数の施設を見学します。特別養護老人ホーム(特養)は待機者が多いため、すぐに入れる「介護老人保健施設(老健)」や「有料老人ホーム」などを並行して検討・申し込みします。
ステップ5:面談・契約・入所
- 家族がやること: 施設の担当者が病院へ出向き、本人の状態を確認する面談(事前面接)が行われます。受け入れ可能となれば、家族が契約手続きを行い、退院日に合わせて施設へ移動(入所)となります。
まとめ:家族だけで抱え込まず、専門家を頼りましょう
親の急な入院や介護は、ご家族にとって身体的にも精神的にも大きな負担となります。「自分たちだけでなんとかしなければ」と抱え込まず、病院のソーシャルワーカーや地域のケアマネジャーなど、専門家の力を最大限に借りることが、親御さんにとってもご家族にとっても最善の道です。
まずは「要介護認定の申請」と「ソーシャルワーカーへの相談」この2つを頭の片隅に置いておいてください。
【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断、治療、または法的なアドバイスを行うものではありません。具体的な症状や介護に関するお悩みについては、必ずかかりつけの医師やケアマネジャー、お住まいの自治体の窓口等の専門家やクレインにご相談ください。
