公的なリバースモーゲージは、主に以下の2つの制度があります。
1. 不動産担保型生活資金(社会福祉協議会)
- 概要: 低所得の高齢者世帯が、自宅を担保に生活資金の貸付を受けられる制度です。以前は「長期生活支援資金」と呼ばれていました。
- 対象: 原則として65歳以上で、市町村民税の非課税世帯または均等割課税世帯程度の低所得世帯。担保となる不動産を所有し、居住していることなど、いくつかの要件があります。
- 資金使途: 生活資金
- 融資限度額: 土地の評価額の70%程度まで、かつ月30万円以内。
- 償還方法: 借受人が死亡した時、または貸付元利金が貸付限度額に達した時に、担保不動産を売却して一括返済。
- 特徴:
- 低金利(年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率)。
- 連帯保証人(推定相続人から1人)と推定相続人全員の同意が必要。
- 生活保護との併用は可能ですが、貸付額は生活保護費の1.5倍以内。
- 申込みから交付まで数ヶ月かかる場合があります。
2. リ・バース60(住宅金融支援機構)
- 概要: 満60歳以上の方が、自宅を担保に融資を受けられる制度です。
- 対象: 満60歳以上で、ご自身または配偶者が居住する住宅を所有していることなど、いくつかの要件があります。
- 資金使途: 住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借り換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金など。
- 融資限度額: 担保評価額の50%または60%(年齢や住宅の条件によって異なります)、かつ8,000万円以内。
- 償還方法: 契約者が死亡した時、または契約期間が満了した時に、一括返済。
- 特徴:
- ノンリコース型(担保不動産の売却額が借入残高を下回っても、不足額を相続人が負担する必要がない)を選択可能。
- 融資タイプは、毎月一定額を受け取る年金型や、一時金として受け取るタイプなどがあります。
- 民間金融機関が窓口となり、住宅金融支援機構が保険を付保する形で提供されています。
公的リバースモーゲージの比較
項目 | 不動産担保型生活資金(社会福祉協議会) | リ・バース60(住宅金融支援機構) |
---|---|---|
主な対象者 | 低所得の高齢者世帯 | 満60歳以上の住宅所有者 |
年齢条件 | 原則65歳以上 | 満60歳以上 |
収入条件 | あり(市町村民税非課税世帯など) | 原則なし |
資金使途 | 生活資金 | 住宅関連資金、介護施設入居一時金など |
融資限度額 | 土地評価額の70%程度、月30万円以内 | 担保評価額の50-60%、8,000万円以内 |
連帯保証人 | 必要 | 原則不要 |
相続人の同意 | 必要 | 金融機関による |
金利 | 低い | 金融機関による |
返済義務超過時 | 不明(制度詳細による) | ノンリコース型選択可能 |
どちらの制度が適しているかは、個々の状況やニーズによって異なります。それぞれの制度の詳しい条件や仕組みについては、各機関の窓口に問い合わせることをお勧めします。
※リースバックなどの詐欺が横行していますので、ご契約前には専門家への相談をしてください。