
【知らないと損!】親から毎年110万円の生前贈与、10年で節税効果は200万円超?賢い活用法と注意点を解説
「親からの支援として、毎年110万円ずつ贈与を受けている」 「将来の相続を考えて、生前贈与を始めたい」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。特に「年間110万円までなら贈与税はかからない」という話は有名ですが、これを長期間続けると、一体どれくらいの節税につながるのでしょうか?
今回は、親から毎年110万円の生前贈与を10年間受け取った場合の具体的な節税効果と、失敗しないための重要な注意点を分かりやすく解説します。
結論:10年間で約207万円の節税効果!
いきなり結論からお伝えすると、毎年110万円を10年間(合計1100万円)贈与された場合、理論上、約207万円もの贈与税を節税できる可能性があります。
これは、贈与税の「暦年贈与」という仕組みを利用するからです。
「暦年贈与」とは?
「暦年贈与」とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された金額が110万円以下であれば、贈与税がかからないという制度です。この110万円は「基礎控除額」と呼ばれ、これ以下の金額であれば申告も不要です。
毎年この非課税枠を活用することで、税金の負担なく財産を次の世代に移すことができるのです。
なぜ「207万円」もお得になるの?
もし、1100万円を10年に分けるのではなく、一度にまとめて受け取った場合で考えてみましょう。
親や祖父母など直系尊属からの贈与(特例贈与)で計算すると、
<1100万円を一括で受け取った場合の贈与税額>
- 課税対象額の計算 1100万円(贈与額)−110万円(基礎控除)=990万円
- 贈与税額の計算(親から子への特例税率を使用) 990万円×30%(税率)−90万円(控除額)=207万円
となり、なんと207万円もの贈与税が発生してしまいます。
毎年110万円ずつコツコツと贈与を受けることで、この207万円をまるごと節税できるというわけです。
■【要注意
絶対に押さえておきたい!暦年贈与の4つの注意点
ただし、お得な暦年贈与にも注意点があります。やり方を間違えると、せっかくの節税対策が無駄になったり、後から多額の税金を課されたりする可能性も。以下の4つのポイントは必ず確認しておきましょう。
1. 「定期贈与」とみなされると課税対象に
「毎年110万円を10年間にわたってあげる」という契約を最初に取り交わしてしまうと、「定期贈与」とみなされる危険性があります。この場合、契約した年に「1100万円の贈与を受ける権利」が発生したと判断され、合計額に対して贈与税がかかってしまいます。
【対策】 毎年、贈与の都度**「贈与契約書」を作成**しましょう。面倒でも「今年はこれだけ贈与します」という意思を形に残すことが重要です。
2. 「名義預金」は贈与にならない
子どもの名前で口座を作り、親がそこに毎年入金していても、子ども自身がその口座の存在を知らず、自由に使えない状態だと「名義預金」と判断されます。これは親の財産と見なされるため、親が亡くなった際には相続税の対象となります。
【対策】 贈与されたお金は、受け取った側が自分で管理・使用できる状態にしておきましょう。
3. 相続開始前「7年以内」の贈与は相続税の対象に
2024年からのルール変更により、亡くなる前7年以内に行われた生前贈与は、相続財産に加算して相続税を計算することになりました。(※ただし、加算される期間のうち、相続開始前3年を超える期間の贈与については、合計100万円まで控除されます。)
節税を考えるなら、より早めに計画的に始めることが大切です。
4. 「相続時精算課税」を選ぶと元に戻せない
生前贈与には、もう一つ「相続時精算課税」という制度があります。こちらは2500万円まで特別控除が使えるなどメリットもありますが、一度選択すると、同じ贈与者からの贈与では**二度と「暦年課税」に戻すことができません。**どちらの制度が自分にとって有利かしっかり検討してから選択しましょう。
まとめ
年間110万円の非課税枠を利用する「暦年贈与」は、計画的に行うことで将来の税負担を大きく軽減できる有効な手段です。
- 毎年110万円を10年続ければ、約207万円の節税に。
- 「定期贈与」や「名義預金」とみなされないよう注意する。
- 対策として「贈与契約書」の作成が有効。
- 相続開始前7年以内の贈与は加算されるため、早めの対策が吉。
大切な資産を賢く次の世代へ引き継ぐために、正しい知識を持って生前贈与を有効活用していきましょう。