簡易的な計算方法、ふるさと納税をした方が良い人、確定申告をした方が良い人(ワンストップ特例制度を利用しない方が良い人)に分けてご説明しますね。

💡 簡易的なふるさと納税の控除上限額の目安(年収・家族構成別)
正確な計算は複雑ですが、大まかな控除上限額を知るための目安はあります。
📊 簡易的な計算式の目安(理論値)
以下の計算式は、あくまで目安を知るための簡易的なものであり、住宅ローン控除や医療費控除などの影響は考慮していません。
1. ふるさと納税の税金控除額の計算式
ふるさと納税を行うと、「ふるさと納税額(寄附金)から2,000円を引いた金額」が、所得税と住民税から控除されます。
1-1. 所得税からの控除
所得税からの控除額= (ふるさと納税額- 2,000円) ×所得税の税率×1.021(復興特別所得税率)
- 所得税の税率は、課税所得によって5%から45%まで異なります。
- この控除は、寄附をした年の所得税から還付(減額)されます。
1-2. 住民税からの控除(基本分)
住民税からの控除額(基本分) = (ふるさと納税額 – 2,000円×10%)
- この控除は、寄附をした翌年度の住民税から控除(減額)されます。
1-3. 住民税からの控除(特例分)
基本分と所得税からの控除で引ききれなかった分を控除します。特例分は、さらに「特例分1」と「特例分2(限度額超過)」の2段階に分かれます。
特例分1(所得割額の20%未満の場合)
住民税からの控除額(特例分1) = (ふるさと納税額 – 2,000円) × (90% – 所得税の税率× 1.021)
特例分2(限度額超過の場合)
上記「特例分1」の金額が「住民税所得割額の20%」を超えた場合、超過分は控除対象外となり、自己負担が増えます。

🎯 2. 全額控除される「控除上限額」の計算式
ふるさと納税で「自己負担額2,000円を除いて全額控除される」上限額は、上記の住民税の特例分2の限度(住民税所得割額の20%)に収まる金額として逆算されます。
厳密な控除上限額は、以下の複雑な計算式で求められます。
控除上限額 = 住民税所得割額×20%÷90% – (所得税の税率× 1.021) + 2,000 円
⚠️ 注意事項
- この計算式は、住宅ローン控除や医療費控除など、他の税額控除や所得控除を受けていないことを前提としています。
- これらの他の控除を受けている場合、住民税所得割額が変動し、ふるさと納税の控除上限額はさらに低くなることがあります。
- 所得税の税率や住民税所得割額は、年収、扶養家族の人数、社会保険料の額などによって個別に決まるため、正確な金額は個々人で異なります。
- 住民税所得割額: 住民税の通知書などで確認できますが、源泉徴収票からも大まかに算出可能です。
- 所得税率: 所得によって異なります(5%〜45%)。
- 2,000円: 自己負担額です。

✅ ふるさと納税をやった方が良い人
ふるさと納税は「寄附」ですが、自己負担額2,000円を除いて税金が控除・還付されるため、実質2,000円で返礼品を受け取れるお得な制度です。
- 所得税や住民税を納めている人
- 控除の仕組みは「税金が減る」ことなので、税金を納めていない人(例:年収103万円以下のパート主婦など)は控除のメリットがなく、全額自己負担になってしまいます。
- 一般的に、年収150万円以上で税金を納めている方は、金銭的メリットを享受できる可能性が高まります。
- 応援したい自治体や、欲しい返礼品がある人
- 制度の趣旨や、返礼品に魅力を感じる方。
- 所得が高い人
- 所得が高いほど税率が高くなり、控除上限額も大きくなるため、より大きなメリットを享受できます。
📝 ふるさと納税で確定申告をした方が良い人(ワンストップ特例制度を利用できない人)
ふるさと納税の控除を受ける手続きには「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の2種類がありますが、以下の条件に当てはまる方は、原則として確定申告が必要となります。
1. ふるさと納税に関する条件
- 1年間の寄附先が6自治体以上
- ワンストップ特例制度は、5自治体以下の寄附先にしか適用できません。
- ワンストップ特例制度の申請期限(翌年1月10日必着)に間に合わなかった
- 期限を過ぎると、確定申告で控除手続きを行う必要があります。
2. もともと確定申告が必要な人(ふるさと納税に関わらず)
- フリーランスや個人事業主
- 事業所得や不動産所得などがある方。
- 給与収入が2,000万円を超える会社員
- 2か所以上の会社から給与をもらっている会社員で、年末調整をしなかった給与とその他の所得の合計額が20万円を超える方。
- 給与所得以外に20万円を超える所得がある方(副業の所得など)。
3. その他の控除を受ける人
- 住宅ローン控除の初年度を利用する方。
- 医療費控除など、ふるさと納税以外の控除のために確定申告をする方。
- この場合、ふるさと納税分も含めて確定申告をする必要があり、ワンストップ特例制度は無効になります。
確定申告のメリット(おまけ)
確定申告の場合、所得税からの還付と住民税からの控除の両方で適用されるため、ワンストップ特例制度(全額住民税からの控除)よりも、還付の時期が早いというメリットもあります。

ご自身の年収や家族構成から、控除上限額の目安を調べてみるお手伝いをしましょうか?
