子宮頸がんは、子宮の入り口部分である「子宮頸部」に発生するがんです。「マザーキラー」とも呼ばれるのは、20代後半から40代といった、出産や子育ての時期にあたる若い世代の女性に多く発症し、母親が幼い子供を残して亡くなるケースがあるためです。

原因
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。HPVは性交渉によって感染し、性交渉の経験がある女性の多くが一生に一度は感染するといわれています。ただし、HPVに感染したからといって必ずしも子宮頸がんになるわけではなく、多くの場合、免疫によってウイルスは自然に排除されます。しかし、一部の人ではウイルス感染が持続し、数年から数十年かけて前がん病変(異形成)を経て子宮頸がんに進行することがあります。
症状
初期の子宮頸がんは、自覚症状がほとんどありません。進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 不正出血(月経以外の出血、性交渉時の出血など)
- おりものの異常(量が増える、色が濃くなる、悪臭がするなど)
- 下腹部痛や腰痛
- 血尿や血便(がんが進行し、周囲の臓器に広がった場合)
予防と早期発見
子宮頸がんは、HPVワクチンの接種である程度予防することができます。また、定期的な子宮頸がん検診を受けることで、がんになる前の段階(前がん病変)やごく初期のがんを発見することが可能です。早期に発見できれば、治療の選択肢も多く、体への負担も少なく済みます。
気になる症状がある場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。